ファクタリングは建設業者に適しているのか?その理由を解説
2023/12/19
ファクタリング

ファクタリングとは、売掛債権を専門の業者に売却して、資金を調達する方法です。建設業においてよく利用される傾向にありますが、利用する前にメリットとデメリットを押えておくことが大切です。
本記事ではファクタリング契約の種類や、建設業で求められている理由、利用するメリット・デメリットなどを解説します。
ファクタリング契約の種類
ファクタリング契約の種類には、主に次の2種類があります。
・2社間ファクタリング
・3社間ファクタリング
2社間ファクタリングはスピーディなやり取りが可能なのに対して、3社間ファクタリングは手数料が抑えられるというメリットがあります。
2社間ファクタリングはスピーディに資金を集められる一方で手数料がかかる
2社間ファクタリングは、利用者である建設業者とファクタリング会社が直にやり取りをする仕組みです。売掛先の会社にファクタリングを利用したことを通知する必要がないため、スピーディに資金を集められます。
2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社は売掛先と直接やりとりができない分、売掛金を回収できないリスクを負わなければなりません。そのため手数料が高くなる傾向にあります。手数料は依頼するファクタリング会社によって異なりますが、一般的に10~30%が目安とされています。
2社間ファクタリングの流れは、次のとおりです。
1.建設業者がファクタリング会社へ売掛債権を売却する
2.ファクタリング会社が建設業者に、売掛金と手数料に応じた代金を入金する
3.売掛先の会社から建設業者に入金される
4.建設業者がファクタリング会社に支払う
3社間ファクタリングは手数料を抑えられる一方で資金集めに時間がかかる
3社間ファクタリングは、売掛先の会社も交えた3社でやり取りをする仕組みです。そのため、2社間ファクタリングに比べて資金調達に時間がかかります。しかし、ファクタリング会社にとって売掛金が未回収になるリスクは少ないため、手数料が安いのがメリットです。
3社間ファクタリングは次のような流れで進んでいきます。
1.建設業者が売掛先の会社にファクタリングを利用する旨の連絡を入れる
2.売掛先の会社にファクタリングを利用することを承諾してもらう建設業者がファクタリング会社に売掛債権を売却する
3.ファクタリング会社は建設業者へ売掛金と手数料に応じた代金を支払う
4.ファクタリング会社は、ファクタリングが利用されたことを売掛先の会社に通知する
5.売掛先の会社がファクタリング会社へ売掛金を入金する
建設業でファクタリングが用いられる4つの理由
建設業でファクタリングが用いられる傾向にある理由は、次のとおりです。
・支払いサイトが長い
・人件費や材料費を前払いする必要がある
・融資よりも審査に通りやすい
・売掛金未払いのリスクがある
1. 支払いサイトが長い
1つ目は、支払いサイトが長いためです。建設業の支払いは、工事完了後、建築物を引き渡してから1カ月以内に行う必要があります(※)。しかし、着工から工事が完了するまでは入金がありません。そのため、工事が終わるまでの間に資金繰りが難しくなってしまうことが考えられます。
そのようなときは、売掛債権を売却することで資金を調達する場合があります。
※参考:国土交通省. 「建設業法に基づく適正な元請下請取引について」P2
工期が長いと資金繰りが苦しくなる傾向にある
建設業では、工期が長いと、途中から資金繰りが苦しくなる傾向にあります。
先述の通り建設業では工事が終わるまで入金がないため、工期が長くなるほど入金までに時間がかかり、資金繰りも苦しくなります。
2. 人件費や材料費、仮事務所費用などを前払いする必要がある
2つ目は、建設業では人件費や材料費、仮事務所費用などを前払いする必要があるためです。前払いできるだけの資金がなければ工事を進められません。入金は引き渡し後のため、前払いに必要な資金を準備するために、ファクタリングサービスを活用するケースがあります。
3. 融資よりも審査に通りやすい
3つ目は、金融機関からの融資よりも審査に通りやすいためです。資金が不足した際の解決方法として、金融機関の融資を受ける場合、赤字では経営状態が悪いと判断され、審査が通らない確率が高いです。
一方ファクタリングは、自社の経営状態は審査に関係ありません。チェックされるのは売掛先の会社の状態です。ファクタリングであれば、自社では融資を受けられなくても、売掛先の会社の信用が高いと判断されると資金調達が可能です。
4. 売掛金未払いのリスクがある
4つ目は、建設業には売掛金未払いのリスクがあるためです。もし工事が終わる前に発注者が倒産してしまったら、売掛金が未払いになり、利益を得られません。そのようなリスクを避けるために、ファクタリング会社を利用する建設業者もいます。
建設業者がファクタリングを利用する3つのメリット

建設業者がファクタリングを利用するメリットは、次のとおりです。
・スピーディに資金を調達できる
・負債を作らずに資金を調達できる
・売掛金未回収のリスクを回避できる
以下で詳しく解説していきます。
1. スピーディに資金を調達できる
ファクタリングを利用すると、比較的スピーディに資金を調達できます。
建設業は売掛金が支払われるまでに時間がかかってしまう傾向にあります。売掛金が入金されるまでに資金繰りが悪化するのであれば、売掛債権をファクタリング会社に売却することで、あまり時間をかけずに資金を調達することができます。最短では即日中に入金されるケースもあります。
2. 負債を作らずに資金を調達できる
ファクタリングでは負債を作らずに資金を調達できます。
金融機関からの融資は負債として扱われます。そのため、融資を受けたことで取引先への信用情報に影響を及ぼしかねません。
一方ファクタリングは金融機関からお金を借りるわけではないため、信用情報に影響が及ぶことはありません。
3. 売掛金未回収のリスクを回避できる
3社間ファクタリングを利用することで、売掛金未回収のリスクを回避できます。3社間ファクタリングで売掛金を回収するのは、建設業者ではなく、ファクタリング会社です。そのため、売掛先の会社が倒産してしまっても、売掛債権を既に売却していれば、自社で売掛金を回収する必要がありません。
建設業者がファクタリングを利用する4つのデメリット
建設業者がファクタリングを利用する際はメリットだけでなく、デメリットも把握しておくことが大切です。建設業者がファクタリングを利用するデメリットとして、以下が挙げられます。
・手数料が必要
・売掛先の経営状況に影響される
・ファクタリング利用が認められない売掛債権もある
・売掛先に資金繰りを疑われる可能性がある
1. 手数料が必要
ファクタリングを利用する際は、手数料が必要です。先述のように手数料は2社間ファクタリングよりも、3社間ファクタリングの方が抑えられます。しかし、3社間であってもファクタリング会社によっては高い手数料が必要な可能性があります。手数料を少しでも抑えるのであれば、複数のファクタリング会社を比較してみましょう。
2. 売掛先の経営状況に影響される
ファクタリングは金融機関からの融資とは異なり、売掛先の経営状況に影響されます。売掛先の経営状況が悪化している場合は、売掛金が入金されないかもしれません。ファクタリング会社はこのようなリスクを回避するために、売掛先の経営状況をチェックします。経営状況によっては、ファクタリングを利用できない可能性があります。
3. ファクタリング利用が認められない売掛債権もある
「ファクタリングが認められない売掛債権は対象外」としているファクタリング会社もあります。このように債権の譲渡を禁止している売掛債権の場合は、ファクタリングを利用できません。もしファクタリングを使用するのであれば、譲渡禁止の債権でも買い取り可能なファクタリング会社を探してみましょう。
民法改正によって譲渡禁止の債権であっても利用可能に
従来は債権譲渡を禁止した売掛債権は、ファクタリングに使用できませんでした。しかし2020年の民法改正によって、譲渡が禁止されている債権であっても、ファクタリングに利用できるようになりました(※)。
4. 売掛先に資金繰りを疑われる可能性がある
売掛先に資金繰りを疑われる可能性もあります。3社間ファクタリングでは、売掛先もファクタリング取引に加わるため、売掛先に自分の会社がファクタリングを利用しようとしていることを知られてしまいます。
ファクタリング利用をすることで、資金繰りが悪化していると売掛先に判断されてしまうと、今後の取引に影響を及ぼしかねません。売掛先に自社の資金繰りが芳しくないことを知られたくないのであれば、手数料は高くなってしまいますが、2社間ファクタリングを検討してみましょう。
建設業者がファクタリング会社を選ぶ際の7つのポイント
建設業者がファクタリング会社を選ぶ際は、次のようなポイントを意識するのがおすすめです。
・手数料が抑えられるか
・2社間ファクタリングが利用可能か
・建設業界での経験が豊富か
・入金スピードが速いか
・対応している限度額が多いか
・必要な書類が事前に把握できるか
・違法契約を持ちかけてこないか
特に違法な契約を結んでしまうと、法外な手数料や取り立てに遭うリスクがあるので注意が必要です。
1. 手数料が抑えられるか
ファクタリングを利用する場合は、手数料を抑えられるかどうかを確認しましょう。売掛債権を売却する際は手数料がかかるため、金額によっては売掛金が大幅に減ってしまいます。
ファクタリングの手数料は、契約をする会社やファクタリング契約の種類によって異なります。一般的にファクタリング会社が打ち出している手数料には、幅が設けられています。例えば5~20%の手数料と記載されている場合は、5%の手数料を期待してしまうかもしれません。しかし、ファクタリング会社にとって建設業は売掛金の未回収リスクが高いため、20%の手数料で契約になる可能性も考えられます。
想定よりも高い手数料になってしまう事態にならないように、契約前に手数料を確認しておきましょう。
2. 2社間ファクタリングが利用可能か
ファクタリング会社を選ぶ際は、2社間ファクタリングが利用可能かを確認しましょう。先述のように3社間ファクタリングの利用は、売掛先に自社の経営状態を疑われてしまうリスクがあります。その結果、今後の取引に影響が及ぶ可能性もあります。
こうしたリスクを避けるために、自社とファクタリング会社の2社間で取引が可能な会社かどうかを確認しておきましょう。
3. 建設業界での経験が豊富か
ファクタリングを利用する際は、建設業者との契約実績が豊富かどうかを確認します。先述のように建設業界の場合、支払いサイトが長い上、多額の前金が必要になります。このような建設業ならではの事情を把握し、多くの経験を積んでいるファクタリング会社かどうかを確認しておくと安心です。
建設業界の経験が豊富かどうかは、ファクタリング会社のホームページである程度確認できます。ホームページで確認できない場合は、ファクタリング会社への問い合わせをおすすめします。
4. 入金スピードが速いか
多額の前払いに対応するために、ファクタリング会社の入金スピードが速いかどうかを確認しましょう。ファクタリング会社の中には、オンライン契約に対応していて、即日の入金が可能なケースもあります。迅速に資金を調達するのであれば、オンライン契約に対応しているかどうかも確認してみましょう。
5. 対応している限度額が多いか
対応している限度額が多いかも重要なポイントです。ファクタリング会社は、対応している売掛債権に限度額を設けているケースがあります。建設業は取り扱う売掛債権が多額になるため、限度額の上限が高いファクタリング会社を選ぶ必要があります
6. 必要な書類を事前に教えてもらえるか
ファクタリング会社を選ぶ際は、必要な書類を事前に教えてもらえるかどうかに着目しましょう。ファクタリング会社と契約を結ぶには、次のような書類が必要になるのが一般的です。
・登記簿謄本
・印鑑証明書
・決算書
・売掛先との基本契約書
事前にどのような書類が必要なのかを把握しておけば、スムーズな資金調達につなげられます。
7. 違法契約を持ちかけてこないか
ファクタリング会社を選ぶ際は、違法契約を持ちかけてくるような業者ではないかを確認しましょう。
違法契約を行う業者の場合、手数料が極端に低い、もしくは高い傾向があります。また保証料、出張費などさまざまな名目で費用を請求してくるケースもあるので、注意しなければなりません。
さらに売掛金の入金が遅れた場合は、度を超した取り立てをしてくるケースもあります。このようなリスクを回避するために、ファクタリングを依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、相場を把握しましょう。
また複数社からの相見積りに加えて、次のような特長も違法契約を行う業者かどうかの判断基準となります。
・会社のホームページや固定電話などがない
・契約書があいまい
・融資を勧めてくる
・審査なしを打ち出している
・対面での契約をしない
下記で詳しく解説します。
1. 会社のホームページや固定電話などがない
違法な契約を持ちかけてくる悪徳業者は、会社のホームページや住所、固定電話の番号を明かさない傾向があります。
また、売掛金の振込先である口座の名義が個人名である場合も、注意しましょう。
2. 契約書があいまい
取り交わす契約書があいまいなまま契約を進めてはなりません。例えば契約書に、本来は融資の契約内容である「金銭消費貸借契約」という文言があったり、契約書そのものがなかったりする場合は、違法な契約である可能性が高いと思ってよいでしょう。
契約する前に、契約書の文言におかしなところがないか、詳細がきちんと契約書に記載されているかなどをしっかりと確認することが重要です。
3. 融資を勧めてくる
ファクタリングは融資ではありません。にもかかわらず融資を強く勧めてくる場合は、注意しましょう。中にはファクタリング会社を装った闇金業者の可能性もあります。
ファクタリング会社であっても、貸金業の登録が済んでいれば、融資をすることが可能です。しかし本来ならファクタリングで集められた資金を、言われるがままに融資で借りてしまうと、先述したようなファクタリングならではのメリットを得られなくなってしまいます。まずはファクタリングでの解決方法を提案してくれるファクタリング会社を選ぶのが、おすすめです。
4. 審査なしを打ち出している
審査なしを打ち出している場合は、違法契約の可能性があります。ファクタリングは融資が難しい建設業者であっても利用しやすい傾向にありますが、全く審査がない訳ではありません。売掛先の会社の経営状況の確認などが実施されるため「審査なし」と宣伝しているファクタリング会社は、怪しいと思ってよいでしょう。
5. 対面での契約をしない
対面での契約を拒むファクタリング会社には注意しましょう。オンラインファクタリングであれば対面不要で契約できますが、必要であればテレビ通話などで連絡を取ることが可能です。そのような手段がどうしても取れない場合は、業者側に何らかの事情があると考えられます。ホームページに掲載された所在地情報や、実績の有無などを確認し、実態を把握しましょう。
建設業者は上手にファクタリングを活用して資金繰りを良好にしよう
業者は支払いサイトが長いことや、売掛金未払いのリスクが高いことなどから、ファクタリングを活用するケースが多くあります。ファクタリング契約の種類には2社間ファクタリング、3社間ファクタリングがありますが、それぞれにメリット・デメリットがあるので事前に把握しておきましょう。
建設業者がファクタリング会社を選ぶ際は、手数料や入金スピードなどに加えて、建設業者との契約経験が豊富なのかを確認しましょう。
またファクタリング会社の中には、契約書があいまいだったり、違法な契約を持ちかけてきたりする業者もあるため、注意が必要です。複数のファクタリング会社から見積りを取り、極端に手数料が低い、もしくは高い会社とは契約しないようにしましょう。
JPSファクタリングでは、これまで建設業の方を対象としたファクタリングに数多く対応して参りました。最短1日で対応できる上に、限度額の上限も高く設定しております。資金繰りにお悩みの建設業者の方は、ぜひJPSファクタリングにご相談ください。